競技方法・規則・用具
試合時間
15分の4クォーター制で実施する。第1・2Qと第3・4Qの間に2分、第2・3Qの間に10分間の休憩がある。これまでは、35分の前後半で試合を行っていたが、2018年度から、国際大会に合わせて、国内の大会はすべてクォーター制で実施している。
勝敗
決められた時間内で、多くの得点を取ったチームが勝者となる。同点の場合は、延長戦は行わず、SO (シュートアウト) 戦が行われて勝敗を決める。このSO戦とは、攻撃側選手が 23 m ラインからボールをドリブルして、ゴールキーパー (以下、GKという) と1対1で対戦し、8秒以内にゴールインできるかを競う方法である。
チームの人数
フィールドに立てるのは、1チーム11人である。通常、10人のフィールド選手と1人のGKによって構成されるが、GKを置かないで11人全員がフィールド選手になってパワープレイすることも可能である。通常16名の選手がベンチ入りできるので、5名の選手が交代要員となる。選手交代は自由で、何回でも交代することができる。
選手交代のタイミングが試合の流れ等に大きく影響するので、選手交代をいつどのようにするかが、見所のひとつとなる。
フィールド
縦 91.4 m、横 55 m で、1972年から国際大会はすべて人工芝のピッチで行われるようになった。そのために、パスされるボールのスピードが速くなり、エキサイティングなプレイが多くみられるようになってきた。ゴールの大きさは、横幅3.66m高さ2.14mである。
用具
★ スティック
先端部が湾曲した棒状の道具(スティックという)を使ってプレイする。GK以外の選手はスティック以外、体を使ってプレイすることは許されない。スティックの重さは、上限が最大737g、長さは105cm以内の規程がある。通常選手が使っている一般的なスティックの長さは約90cm程度である。スティックは左半面が平らで、右半面は丸い面となっており、平らな面でのみボールをプレイすることが許されている。そのため、ドリブルをする際には、スティックを返しながらボールを扱っている。この技術は簡単そうに行っているが、難しいので、ボールさばきも観戦の醍醐味のひとつである。
★ ボール
ボールは、重さや大きさの規程があるが、わかりやすい表現としては、大きさは野球のボール、表面はゴルフボールのようにディンプルがあって表面がプラスチック製である。ボールのスピードは時速160kmにも及び、世界のトップ選手では、時速200kmのスピードに達することもある。
★ GK 防具
GKのみに使用が許される防具がある。ボディプロテクター、脚につけるレガード、足につけるキッカー、グローブ、ヘルメット等である。サークルの中では、全身を使って守備をすることができる。前述の高速シュートを阻止するGKの守備も観戦の醍醐味である。
★ その他
通常の選手の防具は、主にすね宛てをソックスの中に入れている。マウスガードを使用する選手も多い。それ以外の防具は、身体接触により危険が伴うので、身に着けていないことが多い。ペナルティコーナーと呼ばれる、特別の攻撃に対する守備をする場合に限定してフェイスマスクやひざ宛てを着用することが許されている。
近年のルール改正について
サークル
ホッケーの最大のポイントは、ゴール前にある半径14.63mのサークルと呼ばれる半円の中から打ったシュートでなければ得点にならないという規則である。そのため、ゴール前の攻防が最大の見どころである。
警告・退場
審判が持っているカードは3種類。グリーンは、警告を意味するが、2分間の退場処分となる。イエローは、5分以上の退場処分。近年は、反則の重さによって、審判員の判断で5分か10分を決定する。レッドカードは、非常に重大な反則の場合提示されるもので、即時フィールドから出ていかなければならない最も重い罰則である。
ペナルティコーナー
ホッケーの最大の特徴のセットプレイである。このプレイは得点率が高く、試合の流れを大きく左右するものである。攻撃側は、バックラインからパスを出し、いったんサークルの外にボールを出した後に、シュートできるという攻撃方法である。このパスが出されるまでは、守備側選手は、ゴールラインより後ろにいて、守備をすることができないうえに、守備できる人数が5人以内という制限がある。この、ペナルティが攻撃側に与えられる条件は、次のとおりである。
① 守備側選手がサークル内で故意でない反則をしたとき。
② 守備側選手が、自陣23mエリア内で故意の反則をしたとき。
③ 守備側選手が故意に自陣バックランに向かってボールを出したとき。
審判
ホッケーは、2人の審判が行う。主審や副審 の違いはなく、2人はどちらも主審である。フィールド内では絶対的な権限を持っており、判定にも一貫性が要求されている。近年はビデオアンパイアが導入されており、ビデオを要求するタイミングやその使い方も試合の流れに影響するので、観戦の見どころとなる。